看護師は患者に対して、ただ単に必要なケアをするだけではなく、思いやりや優しさを持って接することが必要だといわれています。そんな看護師の思いやりのあるケアとはどのようなものなのかというと、基本的には些細なものが少なくありません。たとえば、部屋に訪室した際に挨拶をしたり、ちょっとした世間話をしたり、一般的にケアとは呼ばれないものが挙げられます。しかし、患者からすれば、自分のことを気にかけてくれているという安心感につながるため、常に挨拶や世間話をしてくれる看護師の方が信用できると考える傾向にあるのです。
また、何らかのケアをするときに、一つひとつ丁寧に声をかけてくれる、気にかけてくれるといったことも、患者にとっては思いやりを感じるものだといいます。特に、自分の話を聞いてもらうことは、安心感につながるだけではなく、自分の気持ちを理解しようとしてくれているのだという気持ちにつながるのです。このような気持ちにつながれば、より体調面や普段のケアに対する患者の気持ちを聞くことができ、些細な変化も患者の口から伝えられることで気づきやすくなります。そのほかに、患者の目を見て話を聞いたり、必要に応じて患者の身体に触れたりと、ちょっとしたコミュニケーションが思いやりにつながっている傾向もあるようです。これらの点から、患者にとって看護師の思いやりのあるケアとは、直接行われるケアよりもコミュニケーションなどの精神的なものが大きいといえるでしょう。